ビジネスマンとしてのキーワード(管理部門)その1
「管理」とはと聞かれた(社内論文や面接)時のキーワード
営業部門編と同様に「管理」部門に必要とされるものの見方考え方を考えてみる。
ちょっと営業とか製造部門とかと切り口が違うと経験から感じるので、まず会社組織の役割と言うものを考え、管理部門のキーワードを説明したいが、結論だけ言うと
①3C(Control・Coordinate・Conduct)
②3S(Skill・Speciality・Speedy)《スキル・専門性・迅速》
③SPIN(Standardization・Program・Inspection・Negotiations)《標準化・段取り・検証・根回し》
となる。あまりシンプルでは無いが、分野が多岐にわたる部門である為、それぞれに分野において軽重がある。では求められる役割につい考える。
《管理部門の役割》
管理=マネージメントと言う上司部下の関係で言うところの管理を思うかもしれないが、そう言う意味ではなく、会社の骨格をなす機能と言える。それぞれが専門職と言えるがその中でも経理は専門性が高いと言える。
管理部門を大別すると、会計、人事、総務、法務と言うが、規模の小さい企業では、総務、人事、経理の三部門で、さらに言えば、経理と総務の二部門で担っているところもある。零細企業では、社長が総務、人事、法務を担い、奥さんが経理部門を担当するなど言うは良く目にする。
経理・会計はお金の管理であり、企業が作成する財務諸表を作成する。お金の出し入れ、出納が日々の業務となるので、アウトソーシングしたり、複数のグループ企業の経理を一つの部署が管理したりすることもある。無くてはならない部門であるが、ある意味切り離し易い職種である。
人事は、採用や昇格昇給、転勤、退職、賞罰等人に関わるイベントや事務を担う。総務はこの二部門以外の会社に関わる事務をするところと思えばよいだろう。ちなみに、経理の中に財務機能があり、独立して財務管理・運用を担う財務部を持つところもある。
そういう意味で、総務の守備範囲はとても広い。法務は労働基準法並びに、商法や知的財法に関わる全般の諸法律的問題解決や整備を行う。
《会社のルール》
「就業規則」は労働基準法第9章や労働契約法等の法令で作ることを定められている会社の「バイブル」であるが、その中にはそれぞれの役割の根拠となる事項が定められ、それに沿って様々なことが行われ、社内での行為・判断基準として運用される。例えば有給休暇の取得や付与、冠婚葬祭の時の慶弔見舞金等がそれだ。
《企業継続には必要不可欠な部門》
この就業規則の下に、各部門の細則が定められるのが一般的で、「人事規定」「旅費規程」「経理規定」「社宅管理規定」等、各項目関わる細則は幾らでも補足、作成できる。
管理部門在職時は、来年度こう言った労働法の改正が国会で通過すると言う情報を得れば、国の方針や対象となる事業者範囲などに含まれるかどうか確認する。
そのうえで、含まれば、どの就業規則の条文にあたり、改正した場合の関連細則等を含め、改正通りの場合と、改正を極力回避した場合の案を作成し、それぞれの中短期的影響を考え、提案レポートを作成します。
就業規則が取締役の決議事項でもあり、それなりの決裁と修正がなされ、最終決済がされると、従業員(該当労働者)に説明を行い、代表者の意見を付して規模が社員50名以上の場合、労基署に提出される。
就業規則は一定の言い回しで適用の幅を持たせたりするが、細則は実務的な判断指針となるので、細かければ細かい程、縛りが多くなる。
その為、就業規則が改訂されれば、この細則も改訂されなければならず、作業量や、関連帳票変更はかなりの範囲と量になる。
就業規則改訂の外的要因としは法改正や、県で定める条例、さらに各省庁からの命令があり、常に見直しが要求されるものである。
最近では個人情報保護法の改正などは従業員の個人情報を預かる企業にとって重要な改正であった。
余談であるが、従業員のほとんどの方は、あまり就業規則に関心がないもので、日常の慣習・上司の指示命令で業務を行っている。
仮に就業規則に反したような事があっても、全てが罰せられる訳ではない。規則違反の内容が問われるのは、社会的に問題化したり、会社に損害が発生した時で、処罰すべきかどうか、どの程度の処罰が適当かと言う時が多いと思われる。
管理部門は、営業活や製造など売上・利益に直結する部門と違って、利益を生む部門では無いが、発言権・存在感が大きくなる部門であるのはその為だ。
《増大する管理部門への負荷》
今は社会環境が大きく変わり、コーポレートガバナンスや内部統制、社会的信用を示すISOの取得や、セキュリティ対策、個人情報保護対応と、様々な責任とコストが求められる。
この管理部の負荷はかなり増大している。ある意味、従前には無い発想と制度を社内に導入して、浸透し、維持更新しなければならないという新たな責任が求められている。