仕事にまつわる思い

管理職で転職を4回してきましたそこで思う事

ビジネスマンとしてのキーワード(管理部門)その2

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前回管理部門の負荷の増加について話をしましたが、この負荷や責任に関しては、メンバー内で全て解決できるものだけではない。

《厄介な新たな要求》

自身の経験で言えば、管理部門では経理、財務以外の管理業務を3社で経験し、管理職をしていたが、特に、ISOの導入と維持更新にはちょっと戸惑った。ISOはそもそも国際規格で昔のフィルムの感度をASA100とか400で標準・高感度と認識していた。

それがISO規格に変わりISO100とか400とかに変わった。つまり国際規格のフィルム感度がASAからISOに変わったのだ。呼び名が変わっただけだから戸惑いはなかった。

しかし、企業に求めらるISO概念は、結構判りにくい、有名なところでISO 9001(品質)、ISO 14001(環境)ISO15001(個人情報保護)ISO/27001(情報セキュリティマネジメントシステムなどがあります。

官公庁・自治体ではこのISO取得企業を入札参加資格にする調達もあり、参加希望企業では、取得の如何が即営業に影響することになるので取り組まざるを得ない。

しかし、ややこしいのはこれらが、年々更新されたり、国の個人情報保護法で事業者に求められるレベルが違ったり、重なる部分が在るにも拘わらず、ISO15001では不足で27001まで必要だったりして、とても俄か学習で審査申請して取得審査を簡単に通過できるものでは無い。

その為、コストが掛かってもコンサルタントに委託して、取得・更新をする事になる。それでも丸投げと言う訳にはいかないので、事務局を管理部内に新設して、担当者を選任する。かなりのコストであるが、この部門が利益を生むことは無いので、売上とか利益とかで直接貢献することは無いのである。

今後インターネットを利用した営業や、商取引は一般的になり、ネットワークを活用するビジネススタイルが定着する為、ITインフラや、製品買取ではない、クラウドベースのグループウェアや業務改善サービス、営業ツール(例えばビジネスLINEとか)を会社全体として統括管理する部門としてのニーズが高まる。

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PDCAサイクル

《管理部門共通のキーワード》

この様な他分野に渡る管理部門であるが、零細・中小・大企業であっても共通する部分を先の結論に結び付けていく。

まず、最初のC(Control):管理部門は他の営業や、製造部門等の会社本体に対して情報収集、情報発信を絶えずして行く部門なので、全体の動きを俯瞰して、早すぎず、遅すぎず、適時に行う様にコントロールしてゆくことが大事である。

次の、C(Coordinate):部門他部門内、他部門間での利害、摩擦、干渉する部分を間に入ってコーディネイトし調和を維持することに留意する。

最後のC(Conduct):会社全体のイベントや方向性等を行動してもらうためのコンダクターとなってしっかりと明確な指揮棒を振りあるべき方向に牽引する。

常にこの気持ちが大事で、どうしても専門分野が明確なだけに、それだけしてれば良いと言う思いに陥りやすいことへの戒めであり、本来あるべき姿だと思う、オーナー社長等こう言った目配りだったり、問題解決や、音頭取りを自らしている事を思えば納得がいくと思う。

次の3Sは管理部門の個人において求められる「S」である。3S(Skill・Speciality・Speedy)《スキル・専門性・迅速》となるが、日本語で言えば、専門性の高い部門であれば、専門性を高め技量を上げることと、どうしてもマイペースで行いがちな業務をそれを「いつまでに」と言う期限を設けて迅速に行う事である。

次のさて、よく聞く話として、この管理、製造、営業部門のどこの部分の声が強いかで、会社の成長性や信頼度が違ってくる

最後のSPINは地頭の良さが求められる。自部門の業務を俯瞰して、各業務に無駄や重複が無いかを検討して標準化する。

パーツ化すると言って良い。(Standardization)これらを組み合わせる事で業務をルーチン化して、専門性に頼るものと、誰でもできる定量業務を仕分けして、誰でもできる業務は特に定量・定性にプログラム化(段取り)して、実行することで、業務の質が均一化し、向上に繋がる。

例えば、賃金の見直しや、就業規則の改訂や年間労務管理イベント等である。更に、実行されているルーチンの業務結果を検証(Inspection)はデミングサイクルのPDCAC(チェック)に当たる。常に漏れ・無駄・不審点が無いかを見る習慣付けが必要である。

最後の(Negotiations)は根回しである。日本的と言えばそうであるが、業務を迅速に的確に遂行するためには、個人が結果を出せることと、出した結果を反映させることを意識しなければならず、前者は個人の努力であるが、後者は他者へのアウトプットにより反映されるものである。

例えば上司決済を受けて実施される案件が、上司のスケジュールの都合で長引くであるとか、説明に対してなかなか理解して貰えないとかで、保留状態になってしまう等で、事前に決済日調整をしたり、決済内容の事前説明を行い、理解を得ておく等と言う事ができることは組織にあっては必要な能力である。

この様なキーワードは「気づき」を促すためのものと考えて貰えればよい。そして、ミーティングも多い管理部門においては、この様な目線で行動することで、スムーズにまた、お互いに有機的・効率的に結果を出せるポイントであると感じる。

新入社員時代では業務になれるのがやっとで、余裕が出てくる3年目位になると、業務になれるだけに、そこで問題意識や、あるべき姿をしっかり持たないと次へのステージアップは望めない。

この3年目位からこれらのキーワードの意味が判る時期でもあり、是非活用して貰いたい。