仕事にまつわる思い

管理職で転職を4回してきましたそこで思う事

 転勤と転職そして大事な要素とは

《転勤と転職》

 転勤が嫌だとか、最初の赴任地からの異動に抵抗があるとか、東京に居たい、または東京には転勤したくないとか言う思いはサラリーマンの常だと思います。

今の仕事が嫌だ辛い、本当にこの仕事に合っているのか、もっと自分に合った仕事があるのではないか。このまま我慢して仕事を続けても良いことは無いのではないか。

その様に感じることや、時期は多かれ少なかれ、誰にでもあるのではないか。そんな時どうすればいいんでしょう。

かく言う言う私も転職と転勤に翻弄されたサラリーマン人生だった。

嫌なこともあったし、少し期待に胸を膨らませた時もあった。転勤が嫌で転職することになったこともあった。転勤、転職が良いとか悪いとは、まさにその人それぞで全く事情が異なるので、是非論はおいといて、昨今は昔に比べてハードルも低いし、困ったときに得たい情報も安易に入手できるようになった。しかし情報過多になりすぎて返って悩む場合もある。

私の場合に限っての感想と経緯をお話ししたい。

出身が静岡で大学は横浜、本社は東京だったが、最初の初任地は札幌だった。その後すぐに福岡に転勤になり、そこで約10年位居たが、当時の転勤サイクルが3年と言われていたので、とても長い方だった。結局家族も作り家まで買った。

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最初の転勤には右も左も判らない新人で、期待値だけで数合わせ的な教育配転と言ったところなので、本人の能力や力量など関係なかったと思って間違いない。

しかし、福岡からの転勤にはそれなりに会社の意思があったと思う。本人は折角安定して、そこそこ上手くやっていける自信もできたころなので、転勤など望むものでは無かったが、見込まれての異動だったので、そもそもをを関東経済圏で過ごしており、東京への苦手意識は低かった。プライベートでは転勤したくない理由はあったが、流れに身を任せる事にした。出世欲も多少あったと思うし、上司の期待も裏切れなかった。

年齢的には一番伸びる20代から30代前半まで福岡で仕事し、成績はかなり良かった思う。重要な客先や、高い売上金額を任せられ、それが良い意味でのプレッシャーになった。優秀営業にも何度も選ばれ、まあ、言えば素直な天狗状態である。

最初の転勤で営業ではなく東京本社の企画部に配属される事は営業の最前線から作戦本部に行くようなものだった。なんで自分なんだろうと思った。

同じ職場の一つ年上の先輩でその企画部から逆に福岡に転勤で来た方がいたが、その人は企画部時代評判が良くなかった事が転勤の一因との噂だったから気になるのは当然だ。しかし、色々考えてもネガティブになる理由は見当たらなかった。

不思議なもので、何かが起きた時、理由を考え、納得できる理由が判ると落ち着くものであり、次の行動の指針になる。この時もそうだったから、当時も転勤と言いながら、仕事内容もガラッと変わったので「転職」の様なものだと周りに言っては、丁稚奉公的スタンスを見せていた。

1年もすると年中イベントや、業務の繁忙期の状況も判るので、2年目からは従前の流れを自分なりにアレンジして、それでどうなるかを確認して行ったと思う。3年目からはほぼ仕事もこなせて上司もある程度任せてくれるようになるし、後輩が付くので、教えながら、更に仕事内容を精査できるようになる。

4年目になると、ここ三年で培ったノウハウや経験から一歩先を行く結果が求められた。リーダーシップや、目標に対する安定した達成と仕組みづくりである。

それらは職場内の人間関係を見れば大体上手く行っているかどうかは判る。部下か上司どちらかには好かれないと上手く行かないのだ。

東京には8年いたが、想定通りと言うか運も良く、出世もし、評価もされた。部下や同僚からも嫌われることは無かった。

それなのに転職を決断したのは、やはり転勤により環境が変わるハードルが上がったいたためだ。子供の教育や住む場所の環境等、自分ひとりだけの事にならないような事が転勤によって発生するとなると、若いころにはあまり無かった拘りがでてくる。

会社の期待と自分の要望とのギャップが埋められないとなると、”転職”と言う思いが浮かんでくる。上手くやって来ただけに、どこでもやれると勘違いしてしまっているのだ。いまでも、そのまま、会社の意向に従い、転勤していたらと思う事はよくある。

よく言う「たら、れば」であるが、一つ言えることは、今がもっと幸せかどうかは判らないが、ずっと同じ会社でサラリーマンを続ていたら、絶対に判らない価値観を得る事はできた。取引先の生え抜きの社員で役職者の方と話をした時など、特にあのまま転職しないでいたら、こんな人生観、考え方に自分もなっていたんだと気づかされる。

転職をしても大丈夫と過信したのには理由と経験があった。ちょっとそこをお伝えする。

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《当時のオフィース環境》

ここで、当時の仕事に関して話しておく。新卒で入った会社の仕事は、カメラ精密関係のメーカー販社の営業だったが、転勤と言っても、営業所から営業所では無かった為、今までの仕事の段取りや、やり方は全然違った。第一内勤なので外に出る事が少なく、そんなことが自分にできるのだろうかと素朴な不安があった。

《ビジネスの三種の神器

当時はまだ、PCが普及し始めるころで、ビジネス文章や配布資料は、ワープロで作成していた。(ワープロも自社製であった為、かなり機能の高いものが使えた)

スモールオフィースと言う言葉がキーワードで三種の神器として、ワープロ、コピー、Faxが必需品と言われた時代であり、生産性向上が一気に個人事業主ににまで広がった時代で、ワープロは出始めであったが、コピーもFaxもあったが一気に低価格化(と言っても30万を切る価格)していて、カメラルートでも販売店の自社利用として導入していた。

《時代はPCメインに》

程なく会社がアップルの総代理店となる事で、ワープロマッキントッシュになり、本格的PCを扱う事になった。マッキントッシュは当時、大学教授やデザイナー、医者などが好んで使う第四世代PCで、当時のNECPC-9801富士通はFM-8の時代である。(1980年代中頃)

OSがMS-DOSからWindowsに移行する過渡期で、アイコンでの対話形式(グラフィカルユーザインタフェース)が徐々に出始めた頃である。程なくウィンドウズ95が発売されアッと言う間に、オープンOSが主流となり、ウィンドウズかアップルOSかの二択時代のスタートとなった。当時からインテリ、医者、デザイナー等にはMACの人気が根強かった。

《ビジネスマンに必要なセンス》

外勤営業から内勤企画に携わり、さらに、PCを駆使して業務を効率化する事を経験したことから、これからのビジネスにはITのリテラシーが必須であると直感した。さらに言えば、東京本社でメーカーとの調整業務に携わっていたことから、日常的な英語能力があると、かなり仕事や人脈造りに幅がでると感じていた。それが、転職を思いたった時の転職方針になった。ITと英語能力を磨くことで、どのような業種や業態の企業でも受け入れられるアドバンテージに繋がると言う事だった。

《振り返ると》

最初の転職は38歳の時だった。転職年齢としては若くは無かったが、それなりに仕事に対する考え方や、スキルは身についていた。だから、ITと英語能力をPRすることで転職面談やPRポイントとしてアピールする事とした。

《転職は環境の変化》

当時でも転職サイトはあったが、基本エージェントと面談して、エージェントが希望をヒアリングして斡旋してくれるパターンだったが、今の様に転職サイトや登録することで自動的に案件が送信されてくる様な時代ではなかったので、良いエージェントとの出会いは、転職活動を大きく左右した時代だった。

転職エージェントも活用しながら、募集広告などにもかなりの数チャレンジして、内定を貰ったものも幾つもあったが、全部に入れる訳でも無く、任地と給料、休暇日数、企業の成長性等、今も変わらない基準で判断するしかなく、一抹の不安がある会社は断った。そんな中で、取り合えず〇〇スーバーと言う眼鏡販売小売チェーンの本部購買部課長の職は比較的条件を満たしていたので、一か八かで入社したが、かなり期待外れのワンマン会社でブラックだった。その為、3か月の使用期間中に退職し、今で言うつなぎ転職になってしまった。在職中にも辞める事は直ぐ決めたが、転職活動を積極的に進め、タイミグよく紹介された企業が官公庁相手の建設コンサルタント営業課長で福岡勤務と言う申し分の無い案件に巡り合えた。年収もアップしたこともあり、そこには9年お世話になる事になった。

色々あったが、大きく成功体験とは言えないが、結果が良ければOKと言ったところか、悩み苦しみ、一寸先が見えない不安がとても多かったが、これも一度だけの人生で、平穏に暮らすことに固執しなければ、結構楽しい生き方だと思っている。

夢のマイホームの建築構造を考える~パート11

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

⑧メンテナンス

折角コストパフォーマンスの高い高機能住宅を建てても、後々の修理や、維持費が頻繁に発生し、金額高価であっては、トータルでは割高な住宅となってしまいます。受託する住宅建設会社にもよりますが、建てる段階から、メンテナンスに関して必要と思われる費用を把握し、工法、建材等含め、メンテナンス性の高い選択をお勧めします。

工法が簡易で、コストも抑えられ、機能的にも効果が大きいサイディングは多く用いられていますが、メンテナンスコストが高いのもNO1です。

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外壁サイディングの施工例

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サイディングに比して職人による工法技術の高さが必要とされる塗り壁ですが、耐久性、費用とも意外とコストパフォーマンスに優れています。

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以上家を建てるうえで、どこに注目して費用を掛けるかを建築の安全性を基本目線で語ってきましたが、安全といっても結局金額とのバランスになります。

出せる金額に対してどこまで高機能、高性能を実現できるかと言う事につきます。工法・部材に関しても考え方を示しました。

やはり、建築の為の工務店選びが重要になります。一般住宅であれば、2階建てであれば、二級建築士で設計が可能です。工務店レベルでの注文住宅の提案もしている中小企業は結構あります。

まずは、今回述べてきたポイント(パート1~11)をベースに話を聞いてみましょう。その中でしっかりとした受けごたえができ大工仕事も自前でできるところを選べば、色んな工作物に迅速に対応して貰えますし、日常の住宅に関する質問にも手軽に乗って貰えると思います。

そして注文住宅で個々の生活スタイルに合った間取りや構造、費用の掛け方も時間をかけて納得のいく愛着の持てる家づくりを目指しましょう。

 

夢のマイホームの建築構造を考える~パート10

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

⑦漆喰

日本古来から住宅の壁に使用されてきた漆喰には科学的裏付けのある理想的な建材です。

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自然由来の建材として「漆喰」建材を説明して下りますが、珪藻土もよく使用され、その特徴を十分理解して採用することが重要で、それぞれ長所短所があります。

 

夢のマイホームの建築構造を考える~パート9

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

⑥耐震

では地震の多い日本でどこに住んでもこの危険からは逃れることはできません。そこで、地震対策を考えてみました。

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家の構造の中で地震の振動に耐えている部分はどこか。

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《屋根を軽くする》

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《壁を軽くする》

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単純に試算をしてみると屋根・壁の建材・工法を変えることで、住宅の重さは5分の1になります。

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例えば「制震性」を高めた建材として以下の様なものがあります。

日本アイディールブレーン社製 制震装置

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夢のマイホームの建築構造を考える~パート8

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

⑤断熱・気密・結露

日本は世界でも珍しい家に厳しい自然環境です。
熱帯地域の国には、暑さ対策として軒先が長く、屋根裏空間を広くとった建物が多く見られ、食べ物や建物を害虫や腐朽からまもるために、高床式であること等日本とも共通しています。
一方寒冷地の国では、建物の気密性を高め、窓の面積を少なくして熱が逃げるのを防いぎ、各地に合った暖房方式も発達しました。世界の住宅は、夏か冬のどちらかの気候に順応する工夫がなされています。

日本列島は縦に長く、亜熱帯から亜寒帯にまで位置しており、夏は東南アジアのマニラなみのむし暑さ、逆に冬は北欧なみの寒気にさらされる自然環境になっています。

また、沿岸には暖流と寒流が流れ、大陸の影響から四季に加えて梅雨や秋雨があり、年間平均11個の台風が接近するため、欧米の平均的な都市の3倍の降水量を記録します。

このように日本は夏と冬の両方に断熱対策が必要な、世界でもまれな気象条件をもつ国で、住宅建築は厳しい環境に対応する高機能住宅が必要とされました。

この様な環境下で「断熱と結露防止」は必須の機能と言えます。

結露は室温が露点温度を下回った事で空気中の水蒸気が液化された水です。つまり結露を発生させないためには、「空気が接触する物質の温度をその空気の露点温度以下にならないようにする」ことで防止できます。

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水蒸気は家中のすべての部屋で、同じ量になろうとする性質があります。(温度に関係なく比湿g/kgの高い部屋から低い部屋に湿気が流れる)そして、水蒸気はものすごく小さい粒子なので、壁などを簡単にすり抜ける性質があるので、例えばキッチンで炊事をしたときに大量に発生した水蒸気は、たとえドアが閉まっていても壁やドアをすり抜けてほかの場所に流れていきます。そして、結露は家の中で温度が低いところ(露点温度以下)で発生することになります。つまり、北側にある暖房していない部屋、寝室や子供部屋、押し入れの中などの壁などです。さらに住宅において最も断熱性能が低いサッシの金属フレームや窓ガラスに発生します。

つまり、結露を防ぐ最も有効な対策は、室内の温度差を無くすことです。つまり、家全体が高気密・高断熱であれば家の中に結露が発生するリスクは大幅に減少するのです。

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結露防止のポイントは

①露点以下の表面温度を室内に作らない(断熱)

②低室温の空間を作らずに、家全体の空気の湿気容量を増やす。(暖房)

③室内の空気に含まれる湿気を捨てる(除湿)

ことになります。

家の中で発生する水分量をご存じですか?

結構生活により発生する水分量は多く、これらを含めた除湿が必要です。

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《対策を行う窓サッシ部

外部からの断熱をするためには開口部(窓)の断熱が第一です。

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では壁の断熱は?

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《工法における断熱》

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この様に昨今の断熱工法および断熱建材はかなり進化しています。しかし、建材を効果的に施工するのが大前提になります。

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気密性が悪いとは窓を開けてエアコンを掛けているようなものです。

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結露は湿度と温度で発生します。そして、気密性と温度管理は快適な室内環境を維持するために密接に関わりあいます。温度差のある空気の流れは、暖かい空気は上に、冷気は下に流れる為、滞留すると言わる「エアコン病」になることが知られています。これらを解消し、適切な室内温度および循環を維持することが、良好な住環境を作るうえでとても重要で、理想的な室内温度環境を実現するためのは「森林効果」の実現です。

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「森林効果」を得るためのの建材は自然の素材がいい。

《漆喰とかまくら造りの家》

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夢のマイホームの建築構造を考える~パート7

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

④構造材

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木造住宅では木による構造構成が大事

住宅工法は家の建てる方法のことですが、工法によって素材や構造が大きく違ってきます。住宅工法にはさまざまな工法がありますが、ある工法が優れているわけではありません。

それぞれがメリットとデメリットを持っています。「在来工法」といわれ古来より日本で行われてきた工法は今も住宅の約8割が木造軸組工法で建設されています。

文字通りすべて木で作られるため、日本の風土にもよく合い、気のぬくもりと優しさを感じられる工法です。日本の住宅構造には「科学が無い」と言われますが、古来先人の知恵と経験が生み出した工法と言えます。

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日本建築の代表的な築城

しかし、科学的かと言うとそうは言えない部分があります。

とにかく自然災害特に地震に対して強い構造にする必要があります。

工法としては

  • 木造軸組工法
  • 木造枠組壁式工法
  • 軽量鉄骨造
  • 重量鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート(RC)造
  • 木質系プレハブ工法
  • コンクリート系プレハブ工法
  • ユニット系プレハブ工法
  • ログハウス

木造軸組工法

基礎の土台に載せて、木の柱と梁で骨組みを整え、筋交い(すじかい)を斜めに入れることで地震に耐えられる構造をつくりだしています。

木材の先端にホゾやミエを切って木材と木材を接合・加工するため、大工さんの上で前に左右されていましたが、最近はプレカット工法など機械加工されたものを使用することが多くなり、接合部には金属も多用されるようになるなど、品質も均質化してきています。

設計に対する適用力に優れているのも大きな特徴です。狭小敷地や変形敷地に対する適応力も高く、外装デザインや間取りなどの設計デザインにも柔軟に対応することができます。

構造材はヒノキや杉などの国産材やベツイガなどの輸入材が使用され、近年は強度の強い集成材が使用されるケースも増えてきています。

木造軸組工法

ツーバイフォー(2×4)工法とも言い、北米で主流の工法です。2インチ×4インチの製材で柱を組み、合板等などのパネルで壁を作り箱型構造にすることで支えます。

高断熱・高気密など断熱性能には特に優れており、柱を2インチ×6インチ、2×8インチにし、壁を厚くすることでさらに断熱性能を高めることができます。石膏ボードを壁の下地にするため耐火性能にも優れています。

デザインへの適応力もよく、輸入住宅から和風住宅までに採用されています。

ただし面で支える工法なので開口部を広くすることはできず、増改築も木造軸組工法よりも自由度が低いといといえます。

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造は素材が工業化され、品質も安定し、大工の力量に頼らず大量生産ができるのが特徴です。軽量鉄骨造によって、バブル期の日本の住宅産業は大きく発展したといっても過言ではありません。

鉄は強度に優れているために、大きな窓や大きな空間づくりができ、阪神大震災時にはその耐震性能が大きな注目を集めました。
ただ大量生産された工業製品なので、設計デザインの自由度が低く、ブランドごとに企業秘密の部分が多いため、リフォームの際もメーカーに頼らざるを得ないなど、さまざまな点で自由度は低くなっています。

また鉄は熱が通じやすいので、室内の温度が外に逃げやすく冬は結露になりやすいという欠点もあります。また鉄なので錆びやすく、ほかの工法より防音性に劣るという特徴を持ちます。

重量鉄骨造

重量鉄骨造はラーメン構造と呼ばれ、ラーメン(ドイツ語で額縁や枠という意味)ですが構造で重要鉄骨造では6ミリ以上の鉄骨を使用し、垂直に立つ柱と水平にかけられる梁を強固につなぐシンプルな構造をもつ工法です。オフィスビルや中高層マンションにも採用される工法です。狭小敷地で柔軟に対応でき、都市部の2世帯住宅やオフィス併用住宅などにも適しています。また屋上の有効活用(屋上の緑化等)にも適した工法です。
しかし、建物が重いため、基礎部分を強固にする必要があるなどコストが割高になります。また鉄なので錆びには弱く、鉄の熱伝導率が高いため断熱性にも不安があり、結露などのデメリットも考えられます。

鉄筋コンクリート(RC)造

鉄筋で骨組みを作り、型枠で囲ってコンクリートを流し込んでいく工法です。一戸建てから高層ビルまで用途は広く、ラーメン構造と壁構造が用途に応じて採用されています。型枠さえできれば、どんな設計にも対応できるため、建築家などによる先進的な住宅や高級住宅などで多く採用されています。

鉄骨とコンクリートの良さが生かされた工法であり、強固で耐震性に優れています。またコンクリートは火災に強く、外気や雨水などから鉄筋を守り鉄筋がさびるのを防ぐため、耐火性や耐久性にも優れています。

しかし、工場内でのプレ製造ができない為、ほとんど現場となり、施工業者力量により品質が左右されます。また、施工時の天候にも大きく左右され工期・施工期に注意が必要です。更に、コンクリートは熱を通しやすく熱を内側にためやすいので、夏は暑く冬は寒くなりがちなので外断熱をする必要もあります。何よりも最もコストのかかる工法です。

木質系プレハブ工法

床や壁を工場生産した木質パネルで組み立てる工法で、壁式構造の一種です。

木質パネルのなかには断熱材や下地材までが入っているのが特徴です。木質パネルを接着剤や釘によって強くつなぎ合わせ、壁、床、天井を組み立てていきます。

木質系プレハブ工法は工場生産であるため、専門性の高い大工を必要とせず、安定して高品質の家を建てることが可能となります。地震に対しても、木造枠組壁式工法と同様横揺れを家全体に分散させるので、耐震性に優れ、さらに気密性、断熱性、遮音性にも優れています。修理や増改築が容易で、プレハブ住宅であるため、短工期で竣工ができますが、デザイン性や耐久性には劣ります。

コンクリート系プレハブ工法

木質系プレハブ工法同様に工場で筋入りのコンクリートパネルを生産し、建築現場で接合しながら組み立て、コンクリートパネルを床、壁、天井に組立てていく壁式工法でプレハブ住宅の一つになります。

現場で鉄骨の組み立てからコンクリートの流し込みまでをする現場打ち工法に比べ、天候や大工の力量に左右されることが無く、安定した品質が保証されます。耐震性や耐火性、耐久性にも優れ、工期が短いという特徴も持ちます。木質系プレハブ工法に比べ耐久性・剛正が向上します。

ユニット系プレハブ工法

工場で箱型のユニット(部屋)を作り、建築現場で組み立てて建築していく工法です。
ユニットは鉄骨で外枠が構成され、床、壁、天井からキッチンやトイレ、お風呂などの住宅設備の設置や室内の内部造作までもが工場で行われます。工場内で建築工程のほとんどが終了するので、現場工期が短く天候に左右されないのが特徴です。

また、現場作業費などが減り、人件費も抑えることができるので、コストが安くすむというメリットもあります。品質も安定しており、耐震性、耐火性、耐久性にも優れています。

ただし大掛かりな為、ユニットを運ぶ広い道路が必要であったり、敷地内クレーン車作業があったりと広いスペースが必要になります。量産によりコストや品質を安定させるため、設計自由度が下がります。

ログハウス

ログハウスは北米、ヨーロッパでは広く普及しており、日本でも古くは正倉院宝庫でログハウスと同様の工法が採用されいるなど、世界中で古くからある工法です。
イメージとしては別荘地などに建つ家を思い浮かべますが、最近では都市型ログハウスなども登場しています。

また、太い丸太をそのまま使用した建物をログハウスと呼ぶ等多様化しています。

ログハウスは「丸太組み工法」と「ポスト&ビーム工法」と「ピース・エン・ピース工法」があります。
丸太組み工法」は丸太を横に積み上げていく代表的な工法です。

ポスト&ビーム工法」は柱(ポスト)と梁(ビーム)に丸太を使用した工法で、日本の代表的な木造軸組工法と似た構造になります。
ピース・エン・ピース工法」は「ポスト&ビーム工法」と似ていますが、柱と柱の間に短いフィラーログという短い材木を水平に入れ、通常のログハウスよりも短い材木で建てることができるメリットがあります。

ログハウスは断熱性に優れ、冬は暖かく夏は涼しいという特徴を持ちます。
調湿性にも優れ、室内の湿度を快適に保つなど、快適性能が高いと言えます。
また耐震性、耐火性にも優れているという特徴もあります。

しかし、メンテナンスに手間がかかる事や、防火地域には建てることができなかったり、準防火地域には耐火認定を受けていないログハウスは建てられなかったりなどのデメリットもあります。

いろんな工法がありますが、家族の生命を守る為と言うテーマから災害に対する視点から考えると、大地震での倒壊に強くする為、それぞれの工法の弱点を補う工夫が必要となります。

ここでのポイントは耐力壁のバランスと共振(キラーパルス)対する対応が取れていることです。

耐力壁

風や地震などの横揺れに抵抗する力を持つ壁のことで「構造上主要な部分」となり、「非耐力壁」は、構造上はなくてもよい壁で「雑壁」とも呼ばれます。

その二つの壁は見た目は全く同じで建物内に混在しています。しかし、この「耐力壁」が建物内でどのように配置されているかが耐震性と大きく関わってきます。

共振

特に木造家屋などにダメージを与えやすい1~2秒周期の揺れをキラーパルスと言い、稍(やや)短周期地震動がキラーパルスです。

建物被害の多かった熊本地震阪神淡路大震災はキラーパルスが発生しました。しかし、東日本大震災ではキラーパルスはそれほど発生しませんでした。

地震に強い構造とはまとめ

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①接合部が強いとは

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②現実的に強いとは

強い材質形状を利用する。

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③何年たっての強いとは

経年的劣化に強いとは例えば、いろんな方法、工法があるが、一例として在来工法にも耐震強度対応等の為に補強金物が多く使われるようになってきましたが、その一方で木組みの在来工法の美しさと耐震強度を高めるAPS工法を例に説明します。

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●構造体の中に金物が入ってしまうため見えないため、木目を表しに使った美しい仕上がりを実現できます。

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●金物工法に比べ防火性能や気密性能が大幅に向上します。ボルト、ナットを使用しないので、ガタの出にくい基本構造です。引き寄せも、締付トルク管理も簡単です。

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従来の在来工法に比べ断面欠損が少ない為、強度が向上します。必要にして十分な耐力が得られます。

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既存のプレカット工場の設備で木材の加工ができます。
また、APS工法は在来の仕口加工(アリツギ)加工をベースにし、形状も似ている為、職人さんの違和感が少なく、 施工性が向上します。

 

夢のマイホームの建築構造を考える~パート6

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

③シロアリ

家を食い荒らすシロアリ対策には、発生後の駆除対策を考えると基礎工事の段階で施工をしておくべきです。

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シロアリ被害

シロアリ発生場所で一番多いところは浴室タイル下でした。

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シロアリ発生場所

いまは工事の際に、風呂場下には土を埋め戻さないので発生しません。

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風呂場工事

しかし、玄関下などは埋め戻しは今でもしていないのが多いようです。

こういうところも細かく確認してみましょう。

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玄関した施工例

シロアリ対策をまとめてみました。

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対策まとめ

対策として

・JOTOキソパッキング工法

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・メンテナンス口の設置

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・早期に発見でき分解可能な構造を考慮する。

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《シロアリには種類があります》

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薬剤散布には注意が必要です。

シロアリ薬剤処理に関してのなんでも良い訳では無く、安全面で十分注意する必要があります。リスクに関しては
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これらのリスクに対して適切に対処するための薬剤として非忌避性の「フィブロニル」がお勧めです。

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