仕事にまつわる思い

管理職で転職を4回してきましたそこで思う事

夢のマイホームの建築構造を考える~パート7

家族の生命を守る為に
8つの大事な知識

④構造材

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木造住宅では木による構造構成が大事

住宅工法は家の建てる方法のことですが、工法によって素材や構造が大きく違ってきます。住宅工法にはさまざまな工法がありますが、ある工法が優れているわけではありません。

それぞれがメリットとデメリットを持っています。「在来工法」といわれ古来より日本で行われてきた工法は今も住宅の約8割が木造軸組工法で建設されています。

文字通りすべて木で作られるため、日本の風土にもよく合い、気のぬくもりと優しさを感じられる工法です。日本の住宅構造には「科学が無い」と言われますが、古来先人の知恵と経験が生み出した工法と言えます。

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日本建築の代表的な築城

しかし、科学的かと言うとそうは言えない部分があります。

とにかく自然災害特に地震に対して強い構造にする必要があります。

工法としては

  • 木造軸組工法
  • 木造枠組壁式工法
  • 軽量鉄骨造
  • 重量鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート(RC)造
  • 木質系プレハブ工法
  • コンクリート系プレハブ工法
  • ユニット系プレハブ工法
  • ログハウス

木造軸組工法

基礎の土台に載せて、木の柱と梁で骨組みを整え、筋交い(すじかい)を斜めに入れることで地震に耐えられる構造をつくりだしています。

木材の先端にホゾやミエを切って木材と木材を接合・加工するため、大工さんの上で前に左右されていましたが、最近はプレカット工法など機械加工されたものを使用することが多くなり、接合部には金属も多用されるようになるなど、品質も均質化してきています。

設計に対する適用力に優れているのも大きな特徴です。狭小敷地や変形敷地に対する適応力も高く、外装デザインや間取りなどの設計デザインにも柔軟に対応することができます。

構造材はヒノキや杉などの国産材やベツイガなどの輸入材が使用され、近年は強度の強い集成材が使用されるケースも増えてきています。

木造軸組工法

ツーバイフォー(2×4)工法とも言い、北米で主流の工法です。2インチ×4インチの製材で柱を組み、合板等などのパネルで壁を作り箱型構造にすることで支えます。

高断熱・高気密など断熱性能には特に優れており、柱を2インチ×6インチ、2×8インチにし、壁を厚くすることでさらに断熱性能を高めることができます。石膏ボードを壁の下地にするため耐火性能にも優れています。

デザインへの適応力もよく、輸入住宅から和風住宅までに採用されています。

ただし面で支える工法なので開口部を広くすることはできず、増改築も木造軸組工法よりも自由度が低いといといえます。

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造は素材が工業化され、品質も安定し、大工の力量に頼らず大量生産ができるのが特徴です。軽量鉄骨造によって、バブル期の日本の住宅産業は大きく発展したといっても過言ではありません。

鉄は強度に優れているために、大きな窓や大きな空間づくりができ、阪神大震災時にはその耐震性能が大きな注目を集めました。
ただ大量生産された工業製品なので、設計デザインの自由度が低く、ブランドごとに企業秘密の部分が多いため、リフォームの際もメーカーに頼らざるを得ないなど、さまざまな点で自由度は低くなっています。

また鉄は熱が通じやすいので、室内の温度が外に逃げやすく冬は結露になりやすいという欠点もあります。また鉄なので錆びやすく、ほかの工法より防音性に劣るという特徴を持ちます。

重量鉄骨造

重量鉄骨造はラーメン構造と呼ばれ、ラーメン(ドイツ語で額縁や枠という意味)ですが構造で重要鉄骨造では6ミリ以上の鉄骨を使用し、垂直に立つ柱と水平にかけられる梁を強固につなぐシンプルな構造をもつ工法です。オフィスビルや中高層マンションにも採用される工法です。狭小敷地で柔軟に対応でき、都市部の2世帯住宅やオフィス併用住宅などにも適しています。また屋上の有効活用(屋上の緑化等)にも適した工法です。
しかし、建物が重いため、基礎部分を強固にする必要があるなどコストが割高になります。また鉄なので錆びには弱く、鉄の熱伝導率が高いため断熱性にも不安があり、結露などのデメリットも考えられます。

鉄筋コンクリート(RC)造

鉄筋で骨組みを作り、型枠で囲ってコンクリートを流し込んでいく工法です。一戸建てから高層ビルまで用途は広く、ラーメン構造と壁構造が用途に応じて採用されています。型枠さえできれば、どんな設計にも対応できるため、建築家などによる先進的な住宅や高級住宅などで多く採用されています。

鉄骨とコンクリートの良さが生かされた工法であり、強固で耐震性に優れています。またコンクリートは火災に強く、外気や雨水などから鉄筋を守り鉄筋がさびるのを防ぐため、耐火性や耐久性にも優れています。

しかし、工場内でのプレ製造ができない為、ほとんど現場となり、施工業者力量により品質が左右されます。また、施工時の天候にも大きく左右され工期・施工期に注意が必要です。更に、コンクリートは熱を通しやすく熱を内側にためやすいので、夏は暑く冬は寒くなりがちなので外断熱をする必要もあります。何よりも最もコストのかかる工法です。

木質系プレハブ工法

床や壁を工場生産した木質パネルで組み立てる工法で、壁式構造の一種です。

木質パネルのなかには断熱材や下地材までが入っているのが特徴です。木質パネルを接着剤や釘によって強くつなぎ合わせ、壁、床、天井を組み立てていきます。

木質系プレハブ工法は工場生産であるため、専門性の高い大工を必要とせず、安定して高品質の家を建てることが可能となります。地震に対しても、木造枠組壁式工法と同様横揺れを家全体に分散させるので、耐震性に優れ、さらに気密性、断熱性、遮音性にも優れています。修理や増改築が容易で、プレハブ住宅であるため、短工期で竣工ができますが、デザイン性や耐久性には劣ります。

コンクリート系プレハブ工法

木質系プレハブ工法同様に工場で筋入りのコンクリートパネルを生産し、建築現場で接合しながら組み立て、コンクリートパネルを床、壁、天井に組立てていく壁式工法でプレハブ住宅の一つになります。

現場で鉄骨の組み立てからコンクリートの流し込みまでをする現場打ち工法に比べ、天候や大工の力量に左右されることが無く、安定した品質が保証されます。耐震性や耐火性、耐久性にも優れ、工期が短いという特徴も持ちます。木質系プレハブ工法に比べ耐久性・剛正が向上します。

ユニット系プレハブ工法

工場で箱型のユニット(部屋)を作り、建築現場で組み立てて建築していく工法です。
ユニットは鉄骨で外枠が構成され、床、壁、天井からキッチンやトイレ、お風呂などの住宅設備の設置や室内の内部造作までもが工場で行われます。工場内で建築工程のほとんどが終了するので、現場工期が短く天候に左右されないのが特徴です。

また、現場作業費などが減り、人件費も抑えることができるので、コストが安くすむというメリットもあります。品質も安定しており、耐震性、耐火性、耐久性にも優れています。

ただし大掛かりな為、ユニットを運ぶ広い道路が必要であったり、敷地内クレーン車作業があったりと広いスペースが必要になります。量産によりコストや品質を安定させるため、設計自由度が下がります。

ログハウス

ログハウスは北米、ヨーロッパでは広く普及しており、日本でも古くは正倉院宝庫でログハウスと同様の工法が採用されいるなど、世界中で古くからある工法です。
イメージとしては別荘地などに建つ家を思い浮かべますが、最近では都市型ログハウスなども登場しています。

また、太い丸太をそのまま使用した建物をログハウスと呼ぶ等多様化しています。

ログハウスは「丸太組み工法」と「ポスト&ビーム工法」と「ピース・エン・ピース工法」があります。
丸太組み工法」は丸太を横に積み上げていく代表的な工法です。

ポスト&ビーム工法」は柱(ポスト)と梁(ビーム)に丸太を使用した工法で、日本の代表的な木造軸組工法と似た構造になります。
ピース・エン・ピース工法」は「ポスト&ビーム工法」と似ていますが、柱と柱の間に短いフィラーログという短い材木を水平に入れ、通常のログハウスよりも短い材木で建てることができるメリットがあります。

ログハウスは断熱性に優れ、冬は暖かく夏は涼しいという特徴を持ちます。
調湿性にも優れ、室内の湿度を快適に保つなど、快適性能が高いと言えます。
また耐震性、耐火性にも優れているという特徴もあります。

しかし、メンテナンスに手間がかかる事や、防火地域には建てることができなかったり、準防火地域には耐火認定を受けていないログハウスは建てられなかったりなどのデメリットもあります。

いろんな工法がありますが、家族の生命を守る為と言うテーマから災害に対する視点から考えると、大地震での倒壊に強くする為、それぞれの工法の弱点を補う工夫が必要となります。

ここでのポイントは耐力壁のバランスと共振(キラーパルス)対する対応が取れていることです。

耐力壁

風や地震などの横揺れに抵抗する力を持つ壁のことで「構造上主要な部分」となり、「非耐力壁」は、構造上はなくてもよい壁で「雑壁」とも呼ばれます。

その二つの壁は見た目は全く同じで建物内に混在しています。しかし、この「耐力壁」が建物内でどのように配置されているかが耐震性と大きく関わってきます。

共振

特に木造家屋などにダメージを与えやすい1~2秒周期の揺れをキラーパルスと言い、稍(やや)短周期地震動がキラーパルスです。

建物被害の多かった熊本地震阪神淡路大震災はキラーパルスが発生しました。しかし、東日本大震災ではキラーパルスはそれほど発生しませんでした。

地震に強い構造とはまとめ

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①接合部が強いとは

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②現実的に強いとは

強い材質形状を利用する。

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③何年たっての強いとは

経年的劣化に強いとは例えば、いろんな方法、工法があるが、一例として在来工法にも耐震強度対応等の為に補強金物が多く使われるようになってきましたが、その一方で木組みの在来工法の美しさと耐震強度を高めるAPS工法を例に説明します。

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●構造体の中に金物が入ってしまうため見えないため、木目を表しに使った美しい仕上がりを実現できます。

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●金物工法に比べ防火性能や気密性能が大幅に向上します。ボルト、ナットを使用しないので、ガタの出にくい基本構造です。引き寄せも、締付トルク管理も簡単です。

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従来の在来工法に比べ断面欠損が少ない為、強度が向上します。必要にして十分な耐力が得られます。

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既存のプレカット工場の設備で木材の加工ができます。
また、APS工法は在来の仕口加工(アリツギ)加工をベースにし、形状も似ている為、職人さんの違和感が少なく、 施工性が向上します。