夢のマイホームの建築構造を考える~パート5
耐震等級に応じた等級を1~3を前回説明いたしました。では
最も安心な耐震等級3の基礎とはどんなものか
《基礎について》
基礎にも様々な形状がありますが、住宅建築では『布基礎』又は『ベタ基礎』が一般的となっています。
『ベタ基礎』とは、底盤一面が鉄筋コンクリートになっている基礎で、家の荷重を底盤全体で受け止め面で支えます。
また、地面をコンクリートで覆い、地面からの湿気を防ぎ、シロアリや害虫も侵入しにくくなっています。
一方で、地面をコンクリートで覆うため、コンクリートや鉄筋、掘る土の量などが増え、金額が高くなる傾向があります。
『布基礎』は断面がT字形の基礎です。ベタ基礎とは異なり、家の荷重を線で支えます。
構造体として、基礎の間を鉄筋コンクリートで覆わないため、ベタ基礎に比べて湿気防止の機能性が劣ります。
床下になる部分は防湿フィルムと防湿コンクリートを打ち、防湿とシロアリや害虫の侵入を抑制します。
この土間コンクリートは厚み6~10cmほどで配筋されないことも多く、強度は期待できません。
メリットとしてベタ基礎よりもコンクリートの量が減るため、コストは抑えられます。
と言う訳で、べた基礎布基礎でどちらを選ぶかと言えば当然べた基礎となります。次に家の防湿と言う観点から、基礎工事の際の基礎換気口問題があります。
従来の基礎換気口を作り通気を作りましたが、換気口の断面欠損により基礎の強度はかなり弱くなってしまったり、いつの間にか蓋が外れて猫やネズミ入ってたりする為、いろいろな工法が提案されています。基礎パッキング工法はその一つで現在主流の工法と言えます。よく言われるのは開口部の基礎欠損による、荷重の不均等加圧が基礎パッキング工法では均一化されるというものであり、工法技術的にも均一化されます。
また、通期に関しては、風の通る穴がたくさんあいており、基礎パッキンをはさむことで、床下の風通しがよくなります。
従来の基礎に換気口を開けるやり方よりも、「2倍の換気量になる」、というデータもあります。
《基礎パッキングの耐久性は?》
基礎パッキングのパッキング素材は樹脂になります。
促進暴露試験で20年相当をクリアしており、実際に使う場所は床下なので日光のあたる場所ではないため、 半永久的と案内されています。 また、キソパッキン自体が40年の実績がある商品ですが 実際の住戸において、 40年の間に劣化したなどという事例はありませんので、そこには一定の安心があります。
《基礎パッキングには4つの種類がある》
①キソパッキン
ベースモデルと呼べる基礎パッキンは、決められた間隔で、基礎の上に並べていきます。
基礎の上、すべてにパッキンが並ぶのではないので、パッキンとパッキンの間は、土台が宙に浮いている形になります。
②キソパッキンロング
ベースモデルを改良したのが、キソパッキンロング。こちらは基礎の全周囲すべてにパッキンをのせるタイプです。
そのため基礎と土台がすべて接しているので、キソパッキンよりも安心感があります。
基礎と土台との隙間も少ないので、虫・ねずみが侵入するリスクも低くなるメリットもあります。
風通しに関してもキソパッキンロングは、スリットタイプで風がよく通り抜けられるようになってます。
また基礎パッキンのスリットにモルタルがつかないようにする、「モルタルストップ付」などもあります。
③気密パッキン
基礎パッキンのなかには、逆に風をシャットアウトする「気密パッキン」というものがあります。
玄関・浴室など、気密化が必要な場所につかいます。
④断熱気密パッキン
気密パッキンに断熱材がついた基礎パッキンで、基礎断熱とあわせて使用し、床下の暖かい空気が外に逃げるのを防ぎます。